【細菌検査】一般生菌数300個以下/gの検査結果について

【細菌検査】一般生菌数300個以下/gの検査結果について

一般細菌検査結果が300個以下/gや30個以下/gという結果であることがあります。

細菌の検査方法

①検体(固体検体)をまんべんなく10gもしくは25g採取し、それを生理食塩水等で10倍希釈にしてよく撹拌します。
そうした液体を検液といいます。液体検体は②から始める。

②容器に少し検液を入れて、そのうえにあらかじめ滅菌して40℃程度に温めた液体状寒天(ブドウ糖やアミノ酸入り)に混ぜ込みます。寒天は冷えるとゼリー状に固まります。

③その寒天を35℃で48時間程度培養器に入れて培養します。

④菌がいると寒天に菌(コロニー)が生えてくる仕組みです。そのコロニーの数をカウントして菌数を測定します。コロニーが100個あれば、①ではじめに10倍に希釈しているので、1000個/gとなります。当然、細菌がいなければコロニーは生えません。

検出限度について

コロニーとは細菌の1集落です。1つの小さい細菌は目で見えないので、培養して1つを増やして菌の集落を作ることで、目で見えるようにしています。そして寒天に生えてくる菌数ですが、コロニーが少なすぎても多すぎても正確性に劣るため、精度上、寒天に生えてくるコロニー数は30から300までの値を取ることになっています。
たとえば、コロニーが10個の場合は値を取ることができないため、精度上の下限の30個をとって、なおかつはじめに検体を10倍希釈しているため、300個以下/gとなります。検査の精度上、その値が検出できる最低限度の値になります。

ここで確認しているのは一般生菌数で35℃で48時間程度培養した菌のため、低い温度やもう少し高い温度で生えてくる菌もたくさんいます。
菌によって繁殖するために必要な最適温度と栄養素が違います。カビは一般的に25℃程度が1番繁殖しやすくなり、35℃では生えません。また、一般的に培地を使った細菌検査で検出されるのは、生きている菌です。加熱等で既に死んでいる菌は検出されません。

ただ、PCR等の遺伝子検査になると遺伝子を検出するため、死んでいる菌も検出されます。